情報ネットワークがグローバルに普及し、エレクトロニクス分野の発達が目覚しい現在、電池はその重要なエネルギー源として私たちの生活の必須アイテムとなっています。その進歩はAV・PC等の電子機器のコンパクト化、軽量化、コードレス化を実現しています。
薄型化、軽量化、高容量化が求められる電池。その主役である二次電池の分野で需要が大きいリチウムイオン二次電池・ポリマー電池、その性能は正極材、負極材、電解液、セパレーターの組み合わせに大きく左右されます。
キシダ化学がご提供する「LBG(リチウムバッテリーグレード)」 "電池用エルソルブ"はお客様の材料の特性を引き出すパートナーとして、全国の大学、研究機関、国内外の企業において根強い支持をいただいております。その特徴は以下の通りです。
- 弊社独自の精製技術による高純度溶媒生産ラインを完備。
- 品質ISO認証取得工場における一貫した研究・生産体制・品質管理による高品位製品をご提供。
- 数十グラム~数キログラムオーダーとお客様に応じた調製・製造が可能。
電気二重層キャパシタEDLC(Electric Double Layer Capacitor)は電気化学反応によって充放電をなす二次電池とは異なり、活性炭などの多孔質炭素電極の細孔内部に形成されるイオン吸着層(電気二重層)に電荷を蓄えます。
この2枚の電極の間に電解液を介し、電圧を印加(充電)すると、正極にアニオン、負極にカチオンが移動し、アニオンは正孔とカチオンは電子と電気二重層を形成して電気エネルギーを蓄えます。
一方、吸着したイオンがそれぞれの電極から離れ、電子が流れることで放電が起こります。そのため、EDLCには次のような特徴があります。
- 瞬間的に大電流の出し入れが可能。
- 現行二次電池とは異なり、リチウムやコバルトのような金属物質を含まないことから環境面での貢献が期待。
- 二次電池と比べて充放電回数によって生じる容量劣化が殆どない。
これらの特徴を生かし、電気自動車や補助電源、深夜電力貯蔵といった用途が期待されています。今後はエネルギー密度が高く、耐電圧が大きく、広い温度範囲での使用が可能な電気二重層キャパシタの実用化が望まれています。 今回キシダ化学では、新たに「CPG(キャパシタグレード)」を設け、"コンデンサ用キャパソルブ"と称して独自の電解質の開発と共に各研究者の皆様の要望にお応えできる製品を提供致します。
現在までにデジタルカメラ・携帯電話・ノートパソコンなど電子機器の小型化・軽量化が次々と実現している中、これらのポータブル用電源として高いエネルギー密度を持つリチウムイオン二次電池やニッケル水素電池は従来の鉛蓄電池やニッケルカドミウム電池に比べ、私たちの生活になくてはならない存在になっています。
一方で、更なるエネルギー密度の向上を目的にリチウムと同様に高いエネルギー密度をもつマグネシウムやカルシウムが注目されています。つまり、これら2価の電荷を持つマグネシウムイオンやカルシウムイオンを電荷担体とする非水系電池の開発が進められています。
そこで、新たに「MBG(マグネシウムバッテリーグレード)」を設定し、"電池用マグソルブ"と称してマグネシウムイオン電池、カルシウムイオン電池、ナトリウムイオン電池を研究する皆様のご期待に応えられるような製品を提供致します。
従来、電気化学分野におけるイオン伝導体は電解質溶液すなわち電解液が主流でした。
しかし、近年、カチオンとアニオンのみから構成される"イオン液体(Ionic Liquid)"が新しいイオン伝導体として注目されています。
「イオン液体」は定義では「室温付近に融点をもつイオンのみで構成される液体状態の塩、つまり常温溶融塩」とあります。それらは以下のような特徴を持ちます。
- カチオンとアニオンのみで形成されるため、これらが静電気的に引き合って常温で液体状態を保つ新しい溶媒となる。
- 高いイオン導電性を示す。
- 液体でありながら蒸気圧がない。(不揮発性)
- 高い熱安定性を示す。
- 難燃性もしくは不燃性である。
- 広い電位窓を持つ。 など
このイオン液体の個々の性質はカチオン種とアニオン種との組み合わせで決まるため、様々な用途での可能性が考えられています。
新たにイオン液体グレード「ILD(イオニックリキッド」を設け、イオン液体の受託合成・販売をスタートさせ、各研究者の皆様と共に新たな可能性を考えて行きます。